「いのち」とは?

この度の新型ウイルス対応問題では様々なことを考えさせられた機会ともなりました。

「いのちを守るために」、よく口にされ聞くことも多いですが、このいのちとはいったい何でしょうか。

学生時代に聞かせていただいた、ある医学倫理の先生の「いのち」についての講演を印象深く記憶しています。ホスピスケアの実例を挙げながら、二つの「いのち」、つまり漢字で生命と書くいのちとひらがなで表すいのちについて
 生きる力が生命力、生きていく力がいのちの力
 生命は「有限・閉鎖的」「客観性」、いのちは「無限・開放的」「主観性」である。
と、その違いをお話しくださいました。身体的な生命の力とこころの力と理解した程度で学生の身にはぼんやりとしか聞くことができませんでした。この度あらためて「いのち」についてしっかりと心得ておきたいと思いました。

最近よく「こんな時こそお寺に頑張ってもらわんと」と声をかけていただきます。お寺に集まれないのは残念だけど今後ますます、生命としての生きる力だけではなく、生きていくというか生きている喜びを知らせていただかなくては、それがお寺の役割なのですから、とおっしゃってくださるのです。ありがたいことです。

私だけの命を生きながら、他者とつながるいのちをよろこばせていただきましょう。多くの命の中の一つの私ではない、唯一無二の私とお讃えくださる仏さまに出会わせていただきましょう。限りある命を生きる中で、限りないいのちを生きることを知らせていただきましょう。それこそが浄土真宗の救い、親鸞さまの生き方でありました。

2020年05月31日