【3分法話】お讃えする中でこそ伝わること

読経、お経のことをお話してみようと思います。お経とはお釈迦さまが仏さまのことについての讃嘆、お讃えされているものであります。私たちがいただくお経の内容とは、

「阿弥陀という仏さまは、このようにあなたを救うための想いと行動のお方なのです。この仏さまと今こうして出会わせていただいていることは尊いことなのですよ!」

つまり、お釈迦さまおん自ら私たちの先頭に立って、仏さまのお徳をお讃えしよろこんでいてくださる、私たちはそれを聞かせていただき、阿弥陀さまのこと、さらにお教えくださっているお釈迦さまをお讃えさせていただく、それが読経、お参りなのです。
心しておきたいのは、おん自ら讃嘆しておられるということです。お讃えされるお姿とお言葉は実際に現代までの何百年、多くの先人のよろこびとなり読経され大切に伝わり続けています。お釈迦さまはお経の中で実は、尊敬すべき人との出会いをよろこび敬うこと、その営みの中に伝えるべき想いが守られ続けていくのだとお教えくださっていると、私はいただいています。相手への敬いやお讃えがなく、ただ損得や正誤をあげつらね正義を振りかざしても、伝えたいことはなかなか伝わりません。まず出会いの不思議をよろこび大切にすること、それこそがお釈迦さま由来の仏教徒の大切な想いの伝え方であり、尊んできた心得なのだと思います。
お経の中で「仏はお念仏という響きとなって寄り添っていてくださるのですよ」と讃嘆しつつお教えくださいます。4月の花まつりに続いて5月は降誕会、親鸞さまのお誕生月でありました。私はお釈迦さまの仰せと親鸞さまのおすすめに従って、お念仏し讃嘆することを心がけます。そして周りの人との浅からざる不思議な出会いをよろこび、大切に味わいなおしたいと思います。

2021年06月23日